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オレが渋谷の支配者だ! ドミナント出店
お客:ウサ田さん、ウサ田さん

ウサ田:なにウサ?お?なんだその大量の『マツカタヒロキ』のビニール袋は??

お客:いやぁ、実はさっき、ちょッと整髪料買おうと重って、渋谷に行ってきたんです。んで、センター街あたりをうろついて、とりあえずマツカタヒロキで整髪料を買おうと思って。

ウサ田:ふむふむ

お客:でも、なんか、やたら多いじゃないですか?!マツカタヒロキがあそこにも!ここにも!って感じで。

ウサ田:そうだねぇ。マツカタヒロキだらけだねぇ。あそこ。

お客:だから、もしかしたら、どれかがニセモノなんじゃないかって思って! 一つくらい、ウメミヤタツオとか!ヤマグチトモミツとか!あるんじゃないかと思って、とりあえず一通り全ての店でワックスを買ってみたんですよ!これがそのワックスです!すごいでしょ!

ウサ田:うわー・・・一生整髪料に困らないウサね。

お客:ええ!これからはありとあらゆる体毛にもワックス使えますよ!

ウサ田:あははは

お客:でも、ちぢれてるから、なかなかまとまらなくて・・・

ウサ田:具体的に言わなくていいウサ!!

お客:それにしても、どうしてあんなに集中してお店を出しているんでしょう?

ウサ田:あぁ、あれはドミナント出店ってやり方なんだウサ。

お客:なんです?!そのドミナント出店って!?

◎ドミナント出店って?

ウサ田:ドミナント出店ってのは、商圏の重なり合う地域に、同じ系列の同じ店をたくさん出す出店スタイルなんだウサ。

お客:いやぁ、商圏ってのからしてわかりません。

ウサ田:商圏ってのは、ようするにお店にきてくれる人たちの分布エリアだウサ。例えば、徒歩で来てくれるお客さんの住む地域を第一次商圏、自転車で来てくれるお客さんの住む地域を第二次商圏、その他の車や電車で来てくれるお客さんの住む地域を第三次商圏と表現したりするウサ。他にも、来店頻度や来店者数の割合でもはかれるウサ。

お客:なるほど・・・んじゃ、お店を中心とした同心円で、基本的に商圏が成り立つんですね?

ウサ田:いいとこに気が付いたウサ。そうウサね。例えば、半径3Kメートルの商圏を第一次商圏として、半径5キロメートルを第二次商圏、そして半径15キロメートルを第三次商圏とする、とかできるウサね。でも、国道や電車など、交通機関で伸びたり縮んだりするウサ。

お客:ほぅほぅ・・・・ん、でも待てよ?ドミナント出店って、同じような場所にたくさんのマツカタヒロキがあるわけですから・・・・・マツカタヒロキ同士で、お客さんの取り合いになりませんか?

ウサ田:そうウサね!基本的にそれは否めないウサね!

お客:あるマツカタヒロキが「オレが釣るんだ!オレがお客さんを釣るんだ!」と言い、またもうひとりのマツカタヒロキが「オレは世界を釣る男だ!オレがお客さんを釣るんだ!」と言い、またもうひとりのマツカタヒロキが「オレはクルーザーを持っているんだ!オレに釣らせろ!

ウサ田:わけわかんないウサ!!

お客:要するに、マツカタヒロキは皆、商圏が重なってしまって、損しちゃうって事ですよ。あぁ、マツカタ、ちゃんと考えようよ!!

ウサ田:でも、渋谷にはモンのすごい人が来るウサよ?別にそこまで神経質にならなくても・・・

お客:でも、渋谷のマツカタヒロキを1店舗だけにしたら、利益がめちゃめちゃ出ますよ!!マツカタヒロキが大もうけですよ!独占禁止法で公正取引委員会にしょっぴかれちゃうんですよ!!

◎参入障壁を高めろ!

ウサ田:そう簡単でもないウサ。だいたい、今の時代、たいてのところにドラッグストアがあって、どこいっても競合店との争いをしないといけないウサね。だから、まず「商圏のお客さんを丸ごとゲット!」なんていうのはムリなんだウサ。

お客:でも、競合店と競争するならいいんですけど、自分の支店と競合しても・・・、でっかいお店をドカン!と一軒立てればいいんじゃないですか?ドミナント出店のメリットってなんなんです?

ウサ田:そうウサね・・・ドミナント出店っていうのは、多くの場合、大型都市の地価が高く、潜在需要の大きな交通機関のターミナル駅に作られるウサ。そういう場合、大きな立地の確保が難しいウサ。そういう立地上の制約に対する対策という側面がひとつあるウサね。

お客:な、なるほど・・・・そういえば、ビックカメラもお店を複数に分けてるし・・・・確かに大きなお店を出すスペースがなさそうだから、それって結構重要なテクニックかも・・・

ウサ田:また、普通に商圏を重ならないように出店するよりも、ドミナント出店をすると店舗間の距離が縮まって、配送費用が減り、細やかな配送による即時性の高い商品調達が可能になるウサ。

お客:うーむ。そうなんですか?

ウサ田:トラックが一度に運べる荷物の量は基本的に変わらないウサね。例えば、時給換算で、トラック1台を2000円で行っているとしたら、距離が50キロずつはなれたお店5店に配送するのと、距離が5キロずつはなれたお店5店に配送するのでは、単純に走行距離が10分の1になるウサ。・・・・トラックの運ちゃんは配送の荷出し・検品をするだけなので、車を走らせる時間が配送費のボトルネック・・・つまり、距離をちぢめる事によるコスト削減効果は結構大きいんだウサ。

お客:うむむむ・・・そ、そうか、そういう事ですか。よくわかんなかったけど、配送費が減るのって結構でかいんですね!

ウサ田:そして何より、知名度の上昇!そもそも、どうしてお客さんは渋谷に整髪料を買いに行ったウサ?

お客:いやぁ、だって、マツヒロがありますもん。

ウサ田:渋谷にはいろんなドラッグストアがあるウサ。それでもマツヒロが選ばれたのは、やっぱり渋谷のドラッグストアといえばマツヒロ!と知名度がばつぐんに高いからだウサ。この効果は、やっぱりドミナントならではウサ。同じような例で、秋葉原のソフマップなどがあるウサ。

お客:なるほど~。まさに知名度でその地域をドミナント(支配)しているってワケですね。そうなると、他社の参入障壁も高くなる、と。

ウサ田:そうなんだウサ。とはいえ、デミナント出店の場合、多くの場合店は独立採算制。同じ社内でも競争させるウサ。そうなると、微妙なサービスの違いや、熾烈な価格争いが起きてしまい、往々にして利益率が下がるウサ。それに、お店ごとのサービスの品質の差も問題だウサ。

お客:そりゃ、お店ごとにビミョウにサービスが違ったり、お店によっては悪い店員もいるかもしれませんけど・・・そんなに問題ですかね?

ウサ田:そうだウサ。クレーム1を打ち消すのに、好意的感想10が必要だといわれているウサ。もしも10店のドミナント出店中の1店でも悪い店があれば、残りの9店も同様の評価をされてしまうウサ。そして、地理的にお店同士が近いと、悪名の広がりがとっても早くて強い・・・・

お客:うむむ・・・

ウサ田:というわけで、マツカタヒロキは、ドミナント出店で、まさに「渋谷を釣る男」みたいになっているわけだウサ。

お客:いやぁ、結構奥が深いですなぁ・・・・・あ、そういえば。

ウサ田:どうしたウサ?

お客:一時期、マツカタヒロキのCMに「ゲッツ!」とかやってた人出てましたけど、彼は今一体どうしているんでしょう・・・?

ウサ田:・・・・・さ、さぁ・・・
by uzada | 2004-06-22 11:05 | マーケット・販売
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