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NEET2 フラグの立たない現実で
「NEETと働く理由」

NEET(若年層を中心とした無業者)が増加している。なぜ働かないのか?と叱責まじりに問い詰めるのは簡単だが、意味はない。逆に「あなたはどうして働くの?」と聞かれた時、真顔で答えられる人はいるだろうか?・・・・アンケート調査によると消極的理由で働いている人の層が多い事がわかる。

人はどうして働くのか、いろんな例を挙げて考えてみたい。

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ウサ田:今回は、まだまだ多い、新卒採用の概況について扱うウサ。

お客:うわーーー・・・・なんか重い内容なんで、パスです。

ウサ田:えー?
学校を卒業と同時に就職し、サラリーは右肩上がりで終身雇用という、高度成長時代の就業パターンは今や影も形も無くなってきた。企業側はリストラ=人員削減を推進し、アメリカ式経営に変わりつつあり、即戦力第一主義になってきている。そのため、新卒より中途採用の枠が拡大傾向だ。学生側は思い通りに就職できないため、就職活動を諦めフリーターになったり、就職してもすぐ辞めてしまう。大卒の1年目の離職率も全体として右肩上がりだ。

学生を取材していて共通して気になったことがある。「世の中が不況だという感覚はあまりありません」と多くの学生が答えるのだ。世の中のことや社会常識を知らないということだ。また、「自分も松井やイチローのようになれる」という感覚を持っている若者も多いという。

「小さいころの夢と就職活動を一緒にしていることが問題です。みんなイチローとか松井にいきなりなれると勘違いしちゃうわけですよ。今は誰だってオーディションやプロテストを受けようと思ったら受けられるんだから、チャンスは平等なわけです。だけど能力には差があります。それで、なれないと気がつくととたんに就職活動をやめてしまうわけですよ。マスコミ志望で今年はダメだったから、来年も目指そうという考え方すらしなくなってきています。どういう業種に入りたいという認識があって、そのためには何が足りなかったのかということを認識できれば、次の年も努力できるけど、彼らはただ入りたいだけで、その自己認識が甘すぎるんです。しかもいい大学に入った人ほど、イチロー、松井になれると勘違いしやすいんです」

引用:就職難ではなく採用難 就職戦線異常アリ!

お客:・・・まぁ、僕も鏡を見るたびに、「お?なんでキムタクが写ってるんだ?」って思ったもんですがね。

ウサ田:え?目医者に行ったら?

お客:ううっ・・・でも、ホラ、イチローも松井も、小学校・中学校の時から、もんすごい特訓につぐ特訓を耐えてきたわけですよね?テレビにゃ写らないところで。

ウサ田:そうウサね。一朝一夕に今の地位や能力を得たわけじゃない・・・それは頭ではわかってるんだウサ。でも、自分はそれができるんだ、やればできるはずだ、という全能感があるウサね。

◎脱社会性・・・・フラグの立たない世界の中心でナゼを叫ぶ

ウサ田:大学でも、高校でも、卒業までは成績や数値などの合理的評価基準の下にいたウサね。でも、就職はテストと違って、もっとあいまいでブラックボックス化した選考基準で行われるウサ。・・・・そこで初めて遭遇する人も多いウサね。「努力しても報われない現象」に。

お客:世の中、「平等社会」とか「機会平等」とかいいますけど、「結果平等」じゃないらしいですね・・・イヤな世の中だべ。

ウサ田:そこで、「ギブギブ!こんなルール知らんて!」ってなっちゃうのも無理もないウサ。「努力が足りない・・・それが理由なわけでもない。ならどうすればいいんだ!

お客:ううーむ。ゲームならね、スライム倒しても経験値は上がるし、村人に話したり、特定のタイミングでキャラクターにアプローチしたら、「フラグ」が立つんですけど・・・・それが立たないのが現実なのですね。

ウサ田:ホラ、恋愛シュミレーションゲームでは、たいてい一定以上親密度が上がったら「フラグが立った」状態になって、あとはイケイケムードになり、後はエンディングまでひとっとび!って感じになるウサね?(最近のはもっと複雑なのかな?)

お客:ウサ田さん・・・・それって「ときめきメモリアル」の話ですか?

ウサ田:うんうん。やっぱ古かったウサ?

お客:・・・・たぶん、今のゲームもあまり変わってないんじゃないでしょうか・・・・たぶん

ウサ田:んじゃ、そういう前提で話すと、ゲームの場合、合理的方法によるフラグ立てさえすれば、結果がわかる、つまり、「努力に対する結果が明確で、その結果の報酬が明確」の時、人は動機付けされるというハウスのパス・ゴール理論」を強く満たすウサね。

お客:はぁはぁ。ハウスのパス・ゴール理論ですか。勉強になったネ!

ウサ田:でも、現実では、親密度が上がろうと、デートに誘ってもダメな時はあるし、付き合いだしても、問題は山積み、イマイチ心も通じ合わない、なんてザラにあるウサね。・・・・現実は、フラグなんて明確に立たないし、簡単にパッタリ倒れちゃうウサ。

お客:その現実との差が、人の全能感とあいまって、就職活動ドロップアウトを起こすって事ですか?・・・・そんな、みんながみんな『ときメモ』をやって育ったわけじゃないですよ~?

ウサ田:た、確かに!!

お客:とはいえ、現実では結果や報酬が不明瞭なのは確かですよねぇ・・・

ウサ田:社会学者が、ここらへんを「テレビゲーム文化だ」とか「脱社会性だ」と論じているので、どこかで見たことがあるかもしれないウサね。でもまぁ、ちょっとは関係しているのかも!?

お客:んで、ウサ田さんはなんでこんな事を取り上げたんで?

ウサ田:現実世界は手段と結果がいまいちリンクしてないように見えるって事を、これから取り上げる「様々な働く理由」を読む上で頭のすみっこに置いておいて欲しいウサ。・・・こんな理由で・方法で働いたから成功した・失敗した・充実している、そんな言葉が多いけれど、それはあくまで一つのケース。それを忘れないでほしいウサ。

お客:「私は、コレでタバコをやめました!」みたいに言っても、タバコやめられない人もいるって事ですね。

ウサ田:まぁ、そんな感じの事だウサ。ちょっと、どんな人を取り扱おうか、迷ってるんだウサ。有名な経済人を扱うと、なんだか資本主義の手下みたいな感じで洗脳チックだし、クリエイター系を扱うと、やたらと煽った成功モデルになっちゃうし・・・

お客:才能を世に!ってヤツですか!?

ウサ田:別に何も言ってないウサよ?・・・でも、悲惨な話を取り上げると、なんだか夢がなさ過ぎるし・・・・

お客:ダハハ・・・この企画、やめましょうよーー!!

ウサ田:困った困った。
by uzada | 2004-06-11 01:07 | 人材・就職
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