ペルソナ・コミュニケーション(4)
前回:ペルソナ・コミュニケーション3

あらすじ:インターネットコミュニティでは、実名・匿名の差はコミュニティの生産性を決定付ける要因ではない。また、結論を出す事を目的とした議論にも困難が伴う。たとえ議論でないにしろ、コミュニティの平和を維持するために、メンバーそれぞれが等しく自由を差し出し、リヴァイアサンを召喚しなくてはならない。リヴァイアサンとは、一定の自由を代償としてコミュニティを陰から統治する仕組みの事を指す。

これほどマイナス面の多いインターネットコミュニティに大切な価値があるとしたら、それは何だろうか?
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ウサ田:『ネゲット』っていう言葉を知っているウサ?

お客:なんでしょ?ソレ。

ウサ:なんか、サイトの管理人が異性の常連さんと付き合う事を『ネゲット』というらしいウサ。『ネットで恋人ゲット』って事なんだと思うウサ。

お客:えーーーーーーーーーーーー!!!!!ウサ田さん!ネゲットしたんですか!?僕に何の断りもなく!何の相談もなく!

ウサ田:し、してないウサ。でも、そういう話もたまに聞くウサ。

お客:まさに神秘!電子の海に放たれた一筋の愛の光!付き合うのか!?付き合うのか!?付き合った~!!ガップリと組み合って!二人は今、ネットという電子の荒波を掻き分けるハネムーンの旅へ!これが本当のユーガッタメール!実況は私、古館●知郎がお送りしました!!

ウサ田:・・・・・・・・・人の話ききなさい。

お客:ハイ・・・・・。にしても、どうして顔も知らない人たちで恋愛沙汰になれるんでしょうね。「あなたの入力した文字、ステキね」「君のマウスさばきもカワイイよ」みたいな感じなんでしょうか?

ウサ田:当らずとも遠からずウサ。んじゃ、ネット上で共感が加速する仕組みについて、扱ってみようウサ。

◎類似性

ウサ田:例えば、僕がある漫画家のファンサイトに書き込みするとするウサ。んで、一人の女性もそこに書き込みしているとする。

お客:ふむふむ

ウサ田:二人の間には、どんな関係があるウサ?

お客:・・・・・・運命の赤い糸。

ウサ田:え~?!

お客:そんな事はないか。・・・まぁ、無関係だと思いますよ。

ウサ田:でも、実は1点において強い関わりがあるんだウサ。「その漫画家のファンである」という共通項だウサ。

お客:ん?・・・まぁ、そうですね。

ウサ田:人は、自分と共通項の多い人に興味や愛着を感じるウサ。特に、めったに他人と共通しない部分が共通しちゃうと、ビビっときちゃうんだウサ。

お客:っていうと・・・?

ウサ田:「えーー!!あなたも◎◎先生(漫画家)の初期のどうしようもなく下らなすぎる漫画がスキなんですかーー!!意外!!うわー、私以外ではじめてですよー!そんな人!なんか運命感じちゃいますね☆

お客:運命キターーーーーーーーーッ!!

ウサ田:まぁ、あからさまにわかりやすい例を出したけど、インターネットってのは本来、無数に存在するサイトの中から、いろいろな条件が一致する事ではじめて出会えるものだウサ。趣味が同じだったり、使っているソフトやハードがいっしょだったり、そういった細かな「共通項」が、人間関係の距離を縮めるために、ちょっと役に立つんだウサ。

◎近接性

ウサ田:お客さんは、電車通学だったウサ?

お客:えぇ、中央線使って通学してました。

ウサ田:んじゃ、いっつも同じ電車の同じ車両で鉢合わせる人、とかいなかったウサ?

お客:うーん・・・・・・あ!いました!おばあちゃんだったんですけどね、いつも高円寺で降りるんですが、だいたい毎朝同じ電車でしたよ!なんか、親近感沸いちゃうんですよね。お互い会釈したりとか。

ウサ田:そうウサね、そういうのってあるウサね。こういった、多頻度で接触する事で高まる親近感の事を、近接性と言うウサ。

お客:つまり、僕はおばあちゃんと近接性が高まってたんですね。あ~ぁ、もしも毎朝モーニング娘と同じ電車に乗っていたらなぁ~・・・

ウサ田:まぁ、妄想に留めておきなさいウサ。こういった近接性は、インターネットコミュニティでも同じウサ。チャットやBBSで何度も言葉を交わすと、それだけでなんだか親しくなり、相手に対して興味と愛着を感じるようになるんだウサ。

お客:ほぅほぅ

ウサ田:「あ~~~(^0^)また、お会いしましたね~!お互い、この◎◎先生のHPじゃ、もう常連さんですよね!なんだかずっと前から知り合ってるような・・・・(〃▽〃)キャー♪

お客:黄色い悲鳴キターーーーーーーッ!!!!

◎利他的援助

ウサ田:インターネットには、数多くの「ボランティア」が存在するウサ。例えば、大規模掲示板には、常駐している常連さんがいて、初心者の質問に快く答えたり、ちょっと厳しく正してあげたり。無料でソフトを公開したり、海外の情報を翻訳してあげたり。

お客:そうですねぇ。道で「すいませーん、ちょっと教えてくれませんかー」って大声で叫んでも、誰も助けてくれませんが、BBSで問い掛けたら、なんだかんだですぐ応対してくれる人がいますもんね。

ウサ田:前に「ペルソナ・コミュニケーション」でやったけど、インターネットコミュニティでは、基本的に現実世界の外見が影響しないウサ。だから、人が自分を重要な存在としてアピールするためには、みんなに好意的に捉えられる様に振舞ったり、発言するしかないウサね。そういった事が影響して、人はわりと利他的に振舞うんだウサ。

お客:「ペルソナ・コミュニケーション2」のアンケートでも、BBSに書き込みする動機の3位が「自分の知識や考えを誰かのために役立てたい」ってヤツでしたもんね。

ウサ田:そうなんだウサ。そして、人は援助を受けた時、感謝すると共に愛情と尊敬を感じるウサ。

お客:おぉう!!

ウサ田:「この前、助けてくれてありがとうございました!もう、パソコンがヘンテコになっちゃって、自分じゃどうしようもなくて、書き込みしてしまったんですーTдTえぐえぐ。でも、助けてもらったおかげで、今じゃ完璧に動くようになりましたー!おやさしいんですね☆今度、個人的にメールしても構いませんか?(キャッ言っちゃった(〃▽〃))

お客:個人的にメールキタァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!

ウサ田:まぁ、往々にして、メールしてみたら、年端も行かぬ小学生の女の子でした、とかね。ありがちウサ。

お客:・・・・いきなり現実に呼び戻さないで下さいよ。

ウサ田:まぁ、援助が促進される環境じゃ、同様に援助を受けた事によって愛情や尊敬を抱く人が増える環境になるって事なんだウサ。

お客:なるほどなるほど。類似性・近接性・利他的援助、この3つがそろうので、インターネットコミュニティじゃ、結構仲良くなれちゃうんですね。

ウサ田:そうなんだウサ!まぁ、ちょっと片寄った内容になってしまったけど、議論の困難性とは対照的に、人間関係の増進には実は結構都合のいい性質があるんだウサ。もちろん、お互いペルソナの陰からのコミュニケーションなんだけどウサ。

お客:うーむ。まぁ、異性関係はもとより、数多くの人と仲良くなり、たくさんの話を聞ける事、たくさんの人と触れ合える事は、とっても有意義な事ですよね。

ウサ田:そうウサ。さて、次回はこのインターネットにおける共感の加速から一歩進んで、インターネットが生み出す新しい社会の可能性について考えてみるウサ!

お客:まだまだ続くのかっ!?
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by uzada | 2004-05-25 01:19 | ネット・IT
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